未登記建物の売買における注意点や具体的な方法について解説
未登記建物を売買することは可能なのでしょうか。
法律上は可能な取引ですが、金融機関からの融資が受けられない点や所有権に関するトラブルなど、いくつかの注意点が存在します。
本記事では、未登記建物を売却する際の注意点と具体的な方法を解説します。
未登記の建物は売買可能なのか
未登記の建物について売買取引を行うことは可能です。
登記に関する法的な制限がないため、取引を行うことはできます。
ただし、建物が未登記の状態での取引には複数の注意すべき点が存在するため、慎重な対応が必要です。
未登記建物の売買における3つの注意点
未登記建物の売買には、以下で解説する3つの注意点があるので、詳しくみていきましょう。
金融機関からの融資が困難
未登記の建物は、金融機関による抵当権の設定ができないため、住宅ローンを利用した購入が不可能です。
金融機関が抵当権を設定するためには、建物の所有権が登記簿に記載されている必要があります。
建物保存登記などの基本的な登記が行われていない場合、所有者が特定できず抵当権の設定は認められません。
また、登記簿上の所有者と実際の売主が異なる場合、融資を断られる可能性が高くなります。
第三者による不正登記の可能性
未登記の建物を放置しておくと、第三者が先に所有権の登記を行い、建物の所有権が不正に奪われる可能性があります。
相手が不法に登記を行った場合は、法的手続きで所有権を取り戻せますが、相手が正当な所有権があると信じられる状況であった場合、所有権の回復は困難です。
未登記建物は法律違反に該当
建物を未登記の状態にしておくことは、不動産登記法に違反する行為となります。
不動産登記法第47条では、建物を取得してから1か月以内に表題登記を行うことが義務付けられており、この義務を果たさない場合には、10万円以下の罰金が科される可能性があります。
未登記の建物を売買する方法
ここからは、未登記の建物を適切に売買するための方法について、説明します。
売却前に登記しておく
未登記の建物の売却において、最も安全な方法は、売主が事前に登記を完了させておくことです。
買主は、売買代金の支払い時に所有権移転登記を行うことで、正式な所有権を取得できます。
建物に増築やリフォームなど変更がある場合は、建物表題変更登記が必要です。
建物の解体を行う
建物の未登記状態を解消する方法として、建物を取り壊して土地のみの売却に切り替えることも有効な選択肢です。
市区町村への家屋滅失届の提出が必要となりますが、未登記建物の場合は滅失登記の手続きは不要です。
未登記のまま売却する
建物の登記や解体には費用と時間がかかるため、やむを得ず未登記のまま売却する場合は、契約書の特約欄に未登記物件である旨を明記します。
買主は物件引き渡し後に必要な登記を行う義務があります。
ただし、融資が受けられないため、実際の取引は親族間での売買がほとんどです。
まとめ
未登記建物の売買は、法律上可能ですが、取引を安全に進めるためには適切な登記手続きが不可欠です。
売主が事前に必要な登記を行うか、建物を解体して更地での取引に切り替えることをおすすめします。
具体的な手続きや不安な点がある場合は、司法書士などの専門家へ相談することを検討してみてください。
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- 大学卒業後大手不動産会社、大手不動産仲介会社を得て、平成17年から奈良の司法書士事務所、大阪市中央区の司法書士法人に勤務。
- 平成26年に司法書士登録
司法書士法人役員を経て令和4年9月に「夕陽丘司法書士法人」を設立。 - 他宅地建物取引士資格所持
赤松 隆あかまつ たかし / 大阪司法書士会
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