遺産分割協議による遺産放棄と家裁での相続放棄の違い

相続が発生し、自分が相続人であったとしても、「相続をしない」という選択肢があることをご存知でしょうか。

「相続をしない」という選択をする理由には様々なものが考えられます。

ここでは、「相続をしない」という選択肢である、遺産放棄と相続放棄という２つの概念について、詳しく解説していきます。

遺産分割協議による遺産放棄とは

遺産放棄とは、遺産分割協議において、遺産を相続しない旨を決めるということです。

通常、相続人が複数人いる場合には、相続財産を分け合うための話し合いとして、遺産分割協議を行います。

その際に、遺産を相続しない旨を決定することで、その相続人は遺産を放棄したということになります。

家庭裁判所での相続放棄とは

相続放棄とは、相続方法の１つで、家庭裁判所に申立てを行い、相続する権利を放棄するという手続きです。

相続する権利を放棄することで、はじめから相続人ではなかったとみなされます。

また、単純承認や限定承認という方法と比較されることが多く、相続財産の中にマイナスの財産が多く含まれている場合に検討される手続きです。

相続が開始したとき（自分が相続人であることを知った日）から3か月以内に、家庭裁判所での手続きを行わなければなりません。

遺産放棄と相続放棄との違い

先ほど確認した遺産放棄や相続放棄は、どちらも被相続人の遺産を相続しないというものではありますが、異なる点がいくつかあります。

まずは、遺産放棄はあくまでも相続人ですが、相続放棄は相続人ではなくなるため、その点が大きく異なります。

また、手続きの方法が異なります。

遺産放棄は遺産分割協議において行いますが、相続放棄は家庭裁判所での手続きが必要です。

さらに、遺産放棄には特段の期限はありませんが、相続放棄には、相続開始から3か月以内（自分が相続人であることを知った日から3か月以内）といった手続きの期限が設けられています。

このように、似たようなものではありますが、実際には異なる点があるため、検討する際には注意が必要です。

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