相続不動産を売却して代金を分割する方法

被相続人が死亡して相続が発生すると、その人が持っていた不動産も相続の対象となります。

このような場合、相続人が複数人いて公平な分割をしたい、不動産を欲しがっている相続人がいない等の理由で、相続不動産を売却して代金を分割したいという場合もあると思います。

この記事では、相続不動産を売却して代金を分割する方法について解説していきます。

相続不動産を売却して代金を分割する方法は２つある

相続不動産を分割する方法としては「現物分割」「代償分割」「共有分割」「換価分割」の４つがあります。

このうちどれを選択するかについては相続人全員が参加する必要がある遺産分割協議で決めることになります。

そして、相続不動産を売却して代金を分割する方法としては、上記の中でも「代償分割」「換価分割」の２つとなります。

以下、それぞれについて見ていきましょう。

換価分割とは

換価分割とは、遺産の中で不動産の占める割合が多いケースでよく選ばれる方法であり、不動産等を売却し、その代金を相続人間で分けることを指します。

換価分割のメリットとしては、現金によって公平な分割が可能であり、相続人間の揉め事に繋がる可能性が低いことが挙げられます。

また、売却代金から納税を行えたり、不動産の管理維持を行う必要がなくなったりします。

一方でデメリットとしては、不動産の売却がすぐに決まるとは限らず、場合によっては買い叩かれてしまったり、売却費用や税金を差し引かれてしまったりして、損をしてしまう可能性があることが挙げられます。

また、不動産の売却には相当の手間がかかることも無視できません。

換価分割を行うべき場合とは、誰も不動産の相続を望んでいない場合や、公平な分割を行い、トラブルを防ぎたい場合などが挙げられます。

代償分割とは

代償分割とは、相続人の中から不動産等を相続する者を決定し、その者が不動産等を相続しなかった相続人に対し代償金と呼ばれるお金を支払う方法を指します。

この場合、不動産等を相続する者が代償金を用意できる資力を持ち合わせることが必要になります。

代償分割のメリットとしては、遺産分割の円滑化に資することや、売却をするかどうか、売却のタイミングを選べるということ等が挙げられます。

また、換価分割と同じく公平な遺産分割が実現できるほか、相続する不動産に相続人が居住していた時には特別控除の適用があるなど節税に繋がるケースが多いのもメリットといえます。

一方でデメリットとしては、代償金の支払いが大きな負担となってしまうことが挙げられます。

代償金の額は相続する財産の価額に比例するため、場合によっては支払えないケースも想定できます。

また、代償金の額をどのように算出するかについて揉めてしまい、結局相続人間でトラブルが発生してしまうケースもあります。

代償分割を行うべき場合としては、不動産などを複数人で相続する場合や、特別控除などの対象となっている場合、売却まで時間がほしい場合などを挙げることができます。

不動産総合コンサルタントについては夕陽丘司法書士法人にご相談ください

相続不動産を売却して代金を分割する場合、換価分割するか代償分割するかについては、ご自身の置かれた状況に合わせて使い分けることが必要になります。

相続不動産を売却して代金を分割したい場合など、不動産についてお悩みがある場合には、不動産登記のみならず売却にも詳しい司法書士へのご相談をおすすめします。

夕陽丘司法書士法人では、不動産総合コンサルタントに関するご相談を受け付けております。

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